2016.6
大分県産業科学技術センター
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支援事例集
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大分県産業科学技術センターでは、より多くの方に当センターの業務を知
っていただくとともに、研究開発や技術支援の成果を広く活用していただ
くため、これまでの研究成果や企業との共同開発の事例及び、技術相談、
依頼試験、機器貸付等での技術支援の事例を取りまとめ、「大分県産業科
学技術センター支援事例集」として紹介することといたしました。
県内企業の皆さんのご要望を受けてご支援した事例を『研究開発』、『依
頼試験』、『指導相談
(機器利用相談・機器紹介を含む)』の3つに分けて、わか
りやすい内容で掲載しています。
是非、ご覧いただきまして、皆様の今後の新製品、新技術の開発、当セン
ター活用の参考にしていただきますようお願い申し上げます。
目次
●研究開発の支援事例 ... 1
学校家具の開発と導入支援... 1
こんにゃく商品の新商品開発及び販売促進 ... 1
杉と異素材の組合せによる新商品『採光杉』の開発 ... 2
血栓症診断用イムノクロマトリーダーの開発 ... 2
プロダクトデザインの開発手法に基づいたスマートフォンケースの製造・販路開拓戦略 ... 2
建築構造用ハニカムパネルの製造方法に関する研究 ... 3
油の微生物分解処理技術と生分解性オイルフェンスの開発... 3
空撮用無人飛行機における長距離無線中継システムの開発 ... 3
ファイル検索システムにおける機能拡充技術の開発 ... 4
永久磁石と予測制御を用いた磁気軸受の開発 ... 4
環境情報を活用したトマト栽培環境の開発 ... 4
漁船遠隔制御機器の開発 ... 5
電気モリの電撃装置のリニューアル製造支援 ... 5
電磁鋼板の加工法が磁気特性に及ぼす影響の解明 ... 5
磁気ギヤード発電機(磁気歯車)の開発 ... 6
マルチコプタアナライザの開発 ... 6
応力負荷型単板磁気試験機の開発 ... 6
磁気歯車型変速機の開発 ... 7
リニアアクチュエータの開発 ... 7
ベクトル磁気特性可視化装置の開発 ... 7
マグネシウム合金の難燃化処理及び溶解・鋳造技術の導入等支援 ... 8
LSI 製造ライン用 12 インチ計量ウエハーリングの開発 ... 8
九州連携 CAE 研究会における解析事例の検証... 8
家庭用パン発酵器の開発 ... 9
ナシ加工食品の開発 ... 9
青果物の流通技術 ... 9
UV スペクトルを利用した品質管理 ... 10
水分活性の測定... 10
完熟梅飲料「ビブラート」の開発と商品化 ... 10
食品工場副産物のサイレージ化 ... 11
鮮度保持包装に関する研究... 11
H-ORAC 法による抗酸化能評価 ... 12
●依頼試験の支援事例 ... 12
磁気駆動アーク回転機構の磁界強度解析 ... 12
磁石の吸引力測定 ... 13
CAE ソフト「ANSYS」による解析支援事例 ... 13
精密万能試験機を用いた材料強度試験 ... 13
「やわらか湯たんぽ」の品質評価試験 ... 14
異物解析試験 ... 14
公的な証明のための試験・分析 ... 14
【 依頼試験・分析の利用ガイド 】 ... 15
●指導相談の支援事例 ... 16
新駅弁の開発指導 ... 16
糀販売のビジネスモデル作りおよび糀商品の開発指導... 16
廃材によるボード試作(機器利用:ホットプレス) ... 17
3D プリンタによる立体モデルの造形 ... 17
分光分析装置の操作技術研修 ... 17
12 bit ミックスド・シグナル・オシロスコープによる測定 ... 18
2 GHz 帯オシロスコープによる測定 ... 18
分光光度計による測定 ... 18
レーザー顕微鏡による測定 ... 19
屋外放射線測定システムの開発における電波強度の測定 ... 19
電磁界解析ツールによる磁気設計シミュレーション ... 19
磁気特性計測システムによる積層コアの評価... 20
B-H アナライザによる磁気特性の測定 ... 20
ミックスド・ドメイン・オシロスコープによるデバイスの観測 ... 20
表面性状測定機による形状および粗さ測定 ... 21
自動車パーツ成型用ウレタンモデルの CAD 造形と NC 加工による製作 ... 21
高解像度ハイスピードカメラの活用 ... 21
3 次元湯流れ凝固解析システムを用いた鋳造法案の検証 ... 22
マイクロフォーカス X 線 CT 装置を用いた各種工業製品の非破壊検査 ... 22
マイクロフォーカス X 線 CT 装置によるシイタケ子実体原基の確認 ... 22
部材の表面処理層観察試料の作製 ... 23
非接触三次元測定機を用いた立体形状測定 ... 23
サーモグラフィによる温度分布の評価 ... 23
熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置による定量分析 ... 24
電界放出型走査電子顕微鏡(分析装置付)による観察、分析 ... 24
水銀ポロシメータによる細孔分布測定 ... 25
X 線光電子分光分析装置による表面部の元素分析 ... 25
色差計による測色管理 ... 25
ポストラベル法を用いた有機酸分析 ... 26
揮発性塩基態窒素による品質管理... 26
醸造用水について ... 26
(お問合せ窓口)
●研究開発の支援事例
学校家具の開発と導入支援
製品開発支援担当
<概要>
県内市町村の教育委員会より県産スギ材を使用した学校家 具の開発要望を受け、デザイン開発研究を行いました。机と いすの意匠権を取得した開発図面を各教育委員会に提供す ることで、県内の家具製造業が製造し、小中学校に導入され ました。
<研究の特徴>
「木の学校家具」提案研究で、県産スギ材を活用し、強度・耐 久性試験を繰り返して改良を重ねました。試作したほぞ組み 接合による開発モデルは、意匠登録しました。
<支援の成果>
この「ほぞ組み高さ調節型学校用机・いす」は、既に県内の 小中学校で約 1 万セットが使用されています。また、平成 25 年度に新設される中学校への導入希望があり、市町村の教 育委員会や製造企業に対して加工技術等の導入支援を行 いました。
こんにゃく商品の新商品開発及び販売促進
製品開発支援担当
<概要>
こんにゃくの概念を超える新しいこんにゃく商品を開発すると ともに、ブランドを立ち上げ、効果的な販売促進のツール作り を行ないました。
<研究の特徴>
社内環境・社外環境の調査をはじめとする企画から試作、販 売促進まで、開発の全プロセスを踏襲して新商品を開発しま した。
<支援の成果>
杉と異素材の組合せによる新商品『採光杉』の開発
製品開発支援担当
<概要>
自社の加工技術や既存の装置の特徴を利用できるよう商品 企画から開発を進めました。杉材と異種素材(アクリル樹脂 板等)と組み合わせ、住宅や店舗・創作家具等の資材を開発 し、「採光杉」として商品化しました。
<研究の特徴>
県産スギを製材し、含水率を 10 %以下に落とした乾燥と集成 材に加工する自社技術を基に、スギと樹脂板を接着する接 着剤の選定やアクリルの表面処理の方法、厚みや集成間隔 などについて検討と試作を重ね、接着強度も確認しました。
<支援の成果>
「採光杉」を使った自社ブランド商品も製造展開し、平成 27 年 2 月に大分県経営革新計画に承認され、ネット通販等での販 売事業化につながりました。
血栓症診断用イムノクロマトリーダーの開発
製品開発支援担当
<概要>
診断測定機器のコンセプトの構築と、事業化に向けヒューマ ンエラー等に配慮したデザイン開発等を支援しました。
<研究の特徴>
確実かつ正確な測定を実現するため、商品コンセプトの構築 からデザイン開発プロセスを支援する開発研究です。具体的 なデザインプロセスを経て開発モデル機やカード型試薬(ハ イブリッドデバイス)を研究し試作しました。
<支援の成果>
企業内にプロダクトデザインの開発プロセスを導入すること ができました。また、医療現場で使用する商品開発に取り組 む中で、確実かつ正確な測定を実現する共同開発が装置お よびプログラムの特許(特開 2015-10943)となりました。
プロダクトデザインの開発手法に基づいたスマートフォンケースの
製造・販路開拓戦略
製品開発支援担当
iPhone 専用アルミケース 「雅」シリーズ
<概要>
センターの「グッドデザイン商品創出支援事業」を活用し、金 属精密加工技術を有する企業の商品企画立案とデザイン開 発を支援しました。これにより新商品のスマートフォンケース を製造し、直販ビジネスへ参入できました。
<研究の特徴>
対象企業の経営環境の分析に始まり、ユーザーの潜在ニー ズの掘り起こし、開発メンバーの共同作業によるアイデア発 想等、プロダクトデザインの開発手法に基づく商品開発を行 いました。
<支援の成果>
建築構造用ハニカムパネルの製造方法に関する研究
製品開発支援担当
<概要>
センターの「企業ニーズ対応型研究事業」にて、大分市の建 築建材の製造・販売企業におけるアルミニウム製ハニカムパ ネルの大型化に向けて、①接着剤と接着方法の選定、②製 造装置の仕様の検討について共同研究しました。
<研究の特徴>
静荷重試験機やホットプレス、サーモグラフィなど、当センタ ーの機器や装置を活用して、企業の抱える課題の解決を図 りました。①については、数種類の接着剤で試験片を製作し て、接着強度を試験しました。また②については、最適な圧 締や加温の方法を確立するために縮小モデルを製作し、加 温試験を実施しました。
<支援の成果>
高品質な接着方法を見出すとともに、製造装置の大型化に 関する課題を解決し、生産を開始しています。
油の微生物分解処理技術と生分解性オイルフェンスの開発
製品開発支援担当
<概要>
船舶事故や地震等で海上に油が流出した際の回収油を、バ ーク(樹皮)堆肥中の微生物で分解処理する特許技術です。 また、全国の海上災害拠点で使用されている「杉樹皮製油 吸着材」をベースに、浮力持続性や耐久性を向上させたオイ ルフェンス製品を開発しました。
<研究の特徴>
この技術では杉樹皮製マットで回収後に微生物分解するた め、従来の焼却処理に比べ CO2発生量が約 1/3 に抑えられ
ます。また(財)海上災害防止センターや県内企業と共同で、 オ天然素材や生分解材料を用いたオイルフェンスを試作し、 13 日間の海上浮遊実験により事故現場での使用に耐える強 度を評価し、実用化に至っています。
<支援の成果>
センターと県内企業、大船渡市、国が協力し、東日本大震災 で回収した漂着油を微生物分解したバーク堆肥は国道の法 面緑化に使用されました。また、オイルフェンスは県内企業 が製品化し、海上防災基地に配備され評価を受けました。
空撮用無人飛行機における長距離無線中継システムの開発
電子・情報担当
<概要>
従来の業務用無人飛行機(UAV)は、農薬散布ヘリなど特 殊・高価な機材であり、一般者の取扱いは困難でした。県内 企業の「マルチコプター型 UAV」は小型・軽量で安価、安定性 が極めて高いのが特徴です。操縦容易、高画質映像の生中 継が可能、機材搭載が可能など、多くの特長があります。
<研究の特徴>
長距離の高画質映像のリアルタイム中継を可能とするため、 IEEE802.11g/n 無線 LAN での中継方式の開発支援を行いま した。UAV 対地上局の各種機材を工夫することにより、数 km 超の通信を実現しています。
<支援の成果>
ファイル検索システムにおける機能拡充技術の開発
電子・情報担当
<概要>
記憶装置の大容量化により、パソコンやファイルサーバ内に は無数のファイルが格納されるようになりました。類似ファイ ルも多く、どれが「原本・ひな形・編集途中・改変版」などの見 分けが困難です。そこで、各ファイルの来歴を見やすくする 技術開発に取り組みました。
<研究の特徴>
ファイルには、「作成日時・編集日時」や、「使用者・ファイル 名・格納フォルダ名」などの属性があります。Windows 標準の 機能では、これら属性値は最新の値しか参照できません。特 殊な機構を用いることなく、ファイル自体の領域に過去の属 性値を蓄積していく技術を開発しました。
<支援の成果>
多数のファイルを格納したファイルサーバや多数のファイル を取り扱うパソコンにおける検索補助ツールとしての導入を 想定しています。
永久磁石と予測制御を用いた磁気軸受の開発
電子・情報担当
<概要>
バイアス磁束を永久磁石で発生させる永久磁石併用型磁気 軸受を研究開発しました。
<研究の特徴>
磁気軸受を PID 制御するコントローラおよびパワーアンプを 開発しました。コンパクトな制御ソフトを開発し、安価なマイコ ン(H8SX など)でコントローラを実現しました。パワーアンプ は、リニアアンプと H ブリッジ回路を用いた PWM アンプを開 発しました。
<支援の成果>
磁気軸受の試作機が完成しました。試作機は、ラジアル方向 を 4 軸(2 軸×2)支持する構成で、駆動モータとの接続には 磁気カップリングを使用しており、4,000 rpm での安定した浮 上回転を実現しました。
環境情報を活用したトマト栽培環境の開発
電子・情報担当
<概要>
温室内機器の動作状況と環境情報(温度、湿度、日射量な ど)を自動計測し、温室内の環境変化を「見える化」するシス テムを開発しました。
<研究の特徴>
機器の動作情報を定期的に計測し、事務所や自宅などの遠 隔地からでもネットワーク経由で状況を確認できるシステム (機器の稼働記録・監視システム)を構築しました。
<支援の成果>
漁船遠隔制御機器の開発
電子・情報担当
<概要>
沿岸部養殖海苔の収穫は、小型船で摘採し、海苔を漁船に 貯めて運搬します。摘採中の漁船の燃費節減等のため、小 型船から漁船の機関やポンプ、ライト等を遠隔操作する機器 を県内企業と共同開発しました。
<研究の特徴>
燃料費の高騰や、CO2排出削減を背景に、無線を利用した
漁船の遠隔制御の需要はあるものの、製品としては例があ りませんでした。そこで、製品の安全性や耐久性、コスト抑制 などを踏まえて開発を行いました。また、機関のメーカによっ て異なる配線方法へ対応しました。
<支援の成果>
実働試験にて、機器の安全性等を検証しました。また、板金 や回路製造、販売の企業とともに製品化しました。
電気モリの電撃装置のリニューアル製造支援
電子・情報担当
<概要>
マグロ漁などに使われる電気モリの電撃装置の改良につい て、約 20 年前に県内企業の開発を支援しました。東日本大 震災で多くの電気モリが水没し、新規需要に対応するため に、回路や基板等の改善を行いました。
<研究の特徴>
調達が困難となった高電圧発生部品の代替や、回路の改 良、基板設計などの支援を行いました。
<支援の成果>
従来と比べて装置の製作が容易になり、新規需要にも対応 することができて、商品として出荷されています。
電磁鋼板の加工法が磁気特性に及ぼす影響の解明
電磁力担当
<概要>
モータやトランスなど電磁力応用機器に使用する電磁鋼板 の磁気特性をその加工方法による影響を解明しました。
<研究の特徴>
電磁鋼板の磁気特性は応力に敏感なので、切り出す時の加 工方法により磁気特性が劣化します。
ウオータジェット、タレットパンチ、シャーリング、レーザー、放 電加工の 5 種類の加工後の磁気特性を評価し、ウオータジェ ット、放電加工法の優位性を明らかにしました。
<支援の成果>
磁気ギヤード発電機(磁気歯車)の開発
電磁力担当
磁気歯車評価装置
<概要>
アキシャル型磁気ギヤード発電機の増速機構として、増速比 12.75 倍の磁気歯車を県内企業と共同開発しました(JST 研 究成果最適展開支援プログラム A-STEP の成果)。
<研究の特徴>
大分大学磁束集束配列理論に基づき、磁気設計をおこな い、県内企業が製造した磁気歯車を当センターが開発した 評価装置で性能評価することにより実現しました。
磁気歯車評価装置を開発 低速回転発電機に対応
磁石による非接触で動力伝達し、メンテナンスフリー 変速比:12.75/1
<支援の成果>
県内企業や大分大学、当センターは、低速回転に対応した 磁気歯車一体型発電機の共同開発に取り組んでいます。
マルチコプタアナライザの開発
電磁力担当
<概要>
マルチコプターを実際に飛ばすことなく、マルチコプターなど の飛行体の性能を評価する装置を県内企業と共同開発しま した。
<研究の特徴>
電気計測技術を駆使し、実飛行を想定したモータにプロペラ を実装した状態での浮上力、積載重量をパラメータをした時 の航続時間や飛行効率を評価する装置を開発した。
電圧、電流、電力、浮上力、回転数、振動を同時に測定 耐久飛行実験での墜落リスクが無い
安全性が高い
<支援の成果>
現在県内企業で製造販売中です。
応力負荷型単板磁気試験機の開発
電磁力担当
<概要>
モータやトランスなど電磁力応用機器に使用する電磁鋼板、 アモルファス等の軟磁性材料の磁気特性を正確に測定する 試験器を大分大学と共同開発しました(JST 大分県地域結集 型研究開発プログラムでの成果)。
<研究の特徴>
電磁鋼板の上下に 1 枚ずつ H コイルを近接する形で配置す るとともに、測定領域を均一磁場内に限定することにより、高 精度測定を実現しました。実使用状態に近い引張/圧縮応 力が負荷された条件において、電磁鋼板の磁気特性を測定 できます。
<支援の成果>
磁気歯車型変速機の開発
電磁力担当
<概要>
磁石の非接触駆動伝達を利用したメンテナンスフリーな磁気 歯車を搭載した高効率変速機を県内企業と共同開発しまし た(JST 大分県地域結集型研究開発プログラムの研究成 果)。
<研究の特徴>
県内企業との製造技術により、大分大学磁束集束配列理論 に基づいた磁気設計を実現しました。
磁石による非接触で動力伝達 潤滑オイル不要(メンテナンスフリー) 変速比:5.5/1
<支援の成果>
県内企業や大分大学、当センターの連携により、JST 委託に よる低速回転に対応したダイレクト発電機の共同開発へ発 展しました。
リニアアクチュエータの開発
電磁力担当
<概要>
半導体製造装置の搬送系に使用する、高速かつ高精度なリ ニアアクチュエータを県内企業と共同開発しました(JST 大分 県地域結集型研究開発プログラムの研究成果)。
<研究の特徴>
大分大学磁束集束配列理論に基づき、県内企業との磁気設 計、製造技術により、磁石量を低減した磁石可動型リニアア クチュエータを実現しました。
・最大加速度: 80 m/s2
・最高速度: 4 m/s ・推力: 100 N
<支援の成果>
県内企業や大分大学、当センターの連携により、ミニマルフ ァブ向け 50 W 級コイル可動型リニアの開発に発展しました。
ベクトル磁気特性可視化装置の開発
電磁力担当/機械担当
<概要>
モータ固定子の鉄損分布を可視化することで、直感的にモー タ性能を表現できる装置を県内企業と共同開発しました (JST 大分県地域結集型研究開発プログラムの研究成果)。
<研究の特徴>
大分大学ベクトル磁気特性理論に基づき、当センターの H コ イル枠の加工技術と県内企業の巻き線技術により、2 次元ベ クトル磁気センサの小型化に成功しました。微小信号測定技 術による高精度測定、磁気特性解析による測定結果の可視 化を実現しました。
<支援の成果>
マグネシウム合金の難燃化処理及び溶解・鋳造技術の導入等支援
金属担当
<概要>
「難燃性マグネシウム合金」に着目して、産学官で溶解・鋳造 技術をベースとした基礎研究や製品開発研究に取り組んで います。また、事業化に向けて地場企業に基盤技術を導入 し、試作開発体制を整備しました。
<研究の特徴>
汎用合金にカルシウムを数 %添加して発火点を約 300 ℃上 昇させた「難燃性マグネシウム合金」は、防燃遮蔽ガスを使 用せず大気溶解ができ、(一社)日本鉄道車両機械技術協 会の車両材料燃焼試験で「不燃材」の認定も受けています。 この特徴を活かし、産学官で用途開発や要素技術研究を進 め、地場企業で事業化を目指しています。
<応用事例>
鉄道車両内装部品、ロボットアーム部品等に応用できます。
LSI
製造ライン用
12
インチ計量ウエハーリングの開発
金属担当
軽量ウエハーリング
<概要>
金型の設計、製作を行う企業と共同で、軽量ウエハーリング の開発研究を行いました。LSI チップ製造後工程で使用され るダイシング用搬送リング(ウエハーリング)において、既存品 に対し 60 %の重量減に成功しました。
<研究の特徴>
板材をリング状に打ち抜いた従来品に対し、開発したウエハ ーリングは絞り加工で作製した上下の箱型パーツを嵌合す る中空構造としました。またウエハーリングは半導体の国際 規格において強度・平坦度に一定の基準値を求められてい るため、内部に補強用の治具を封入し、軽量化と両立させた 構造となっています。
<支援の成果>
開発したウエハーリングは製品化され、搬送及び輸送コスト の削減につながっています。
九州連携
CAE
研究会における解析事例の検証
機械担当/金属担当
解析課題の例
<概要>
九州・山口の公設試験研究機関では CAE 解析業務の担当 者が連携し、共通の解析課題に取り組むことで解析のノウハ ウやソフト間の差異などについて情報交換し、企業支援に役 立てています。
<研究の特徴>
CAE 解析では、要素数や境界条件、ソフトごとの設定項目に よって解析結果が異なります。単独のソフトでは設定内容に よる結果への影響や妥当性等の把握は困難ですが、各県の 所有ソフトで結果を比較することにより、解法や定義式の影 響等について効果的に調査できます。また、実験値や理論 値から解析の信頼性を検討しています。
<支援の成果>
家庭用パン発酵器の開発
工業化学担当
<概要>
センターの「企業ニーズ対応型研究」により、県内企業と共同 で家庭用パン発酵器を開発しました。蓄熱材で加温する方 式から、電熱線式に改良することによって、発酵器内の温度 や湿度を安定させることができました。
<研究の特徴>
発酵器の加温のために面状のヒータを底部に配置すると、 内部の温度ムラが大きいことがわかりました。そこで、ヒータ の配置を見直し、発酵器の底面の四辺に配置することによ り、発酵器内の温度や湿度の分布を小さくすることができま した。また、発酵試験において、発酵不良や過発酵にならな いことを確認できました。
<支援の成果>
研究成果について特許を出願し、その後、操作性や視認性 を高めた発酵器の試作開発に取り組んでいます。
ナシ加工食品の開発
食品産業担当
<概要>
ナシは大分県の落葉果樹で最も生産量が多い重要品目で すが、近年、異常気象などが原因で規格外果実が増加し、さ らに価格の低迷が続いていることから、加工利用による需要 の拡大が強く求められています。そこで、ナシ果実を利用し た付加価値の高い加工食品の開発に取り組みました。
<研究の特徴>
大分県で生産されている主要な品種「幸水」、「豊水」、「新 高」について、加工品目ごとに適した品種選定を行いました。 また、果汁製造時の変色防止方法など高品質な果汁を製造 する技術を開発しました。
<支援結果>
研究成果を企業に技術移転することにより、付加価値の高 いナシジュース、ゼリーなどの新規製品が商品化されまし た。
青果物の流通技術
食品産業担当
<概要>
青果物の流通に影響する環境要因を解析し、現状の問題点 の把握と改善、新たな流通技術の構築に取り組んでいます。
<研究の特徴>
流通条件として温度/湿度/振動/気圧/包装内ガス組成 などの物理指標の測定と包装材料、包装方法を組み合わせ た流通技術の開発を行っています。
<支援結果>
UV
スペクトルを利用した品質管理
食品産業担当
ろ過条件の設定
アルコール度数と活性炭の吸着
<概要>
波長範囲 190~360 nm の紫外部スペクトルを測定し、品質管 理や工程管理に利用しています。
<研究の特徴>
飲料や酒類を中心とした製品の品質管理指標 (UCL-LCL) の設定やろ過精製技術の評価等の分野で対応しています。
<支援の成果>
合理的な品質管理指標として、飲料、酒類関係で幅広く利用 されるようになりました。
水分活性の測定
食品産業担当
水分活性値と食塩および糖濃度
VBN(mg/100ml)-食塩換算 AW 散布図
<概要>
微生物増殖の指標となる水分活性に着目した研究を行いま した。水分活性は食品中の微生物が利用できる水分(自由 水)の割合を示す数値で、食品の保存性の向上や品質保持 を把握する上で重要な指標です。水分活性の測定試料を容 器に入れ、30 分程度で簡単に測定することができます。
<研究の特徴>
ジャムや佃煮の品質管理、製造加工における煮込み時間や 添加糖分量の決定の他、調味料製造における揮発性塩基 態窒素との対比による、製造工程の把握などに利用していま す。
<支援の成果>
製品の微生物制御および品質の安定化に有効活用できた ほか製造工程の改善に結びついています。食品の安全性を 担保するために不可欠な指標として、流通面からも注視され ています。
完熟梅飲料「ビブラート」の開発と商品化
食品産業担当
完熟梅飲料「ビブラート」
<概要>
近年ノンアルコール飲料の要望が高まっており、これまでに 高品質な梅酒を開発・商品化してきた県内企業との共同研 究により、高品質で、既存商品と差別化できる高級志向の梅 ジュースを開発しました。
<研究の特徴>
香りの主成分であるベンズアルデヒドの抽出や、リンゴや桃 などを合わせたような華やかで甘い香りを放つ完熟梅の採 用、完熟果実の品質が優れている品種「南高」の採用、果実 をピューレにして仕上げるという新たな製法の採用など、梅 加工利用に関する技術シーズを活かして 2 種類のジュース の試作と改善を重ねました。
<支援の成果>
食品工場副産物のサイレージ化
食品産業担当
烏骨鶏卵黄中のβ-カロテン含量の推移
<概要>
食品の製造工程から排出される副産物の処理法としてサイ レージ化は、これからの有望な技術として期待されていま す。もやし屑や大麦若葉の絞りカスなど、各種副産物のサイ レージ化について検討しました。
<研究の特徴>
①500 L トランスバッグを利用する簡易な方法の提案 pH4.2 以下 V-スコア 85 点以上の保存性のよい、 良質サイレージの製造
②大量処理に対応した圧縮減容化技術の提案
圧縮減容化 → 圧縮+ラッピングマシーンによる密封 → サイレージの調製方法。
<支援の成果>
大麦若葉残さのサイレージ化飼料により、βカロテン含量の 高い烏骨鶏卵を生産でき、付加価値値向上になりました。
鮮度保持包装に関する研究
食品産業担当
<概要>
新しい包装技術により、県産ニラの鮮度保持技術を構築しま した。実証試験を通じて提案方式を検証し、企業へ技術移転 しました。鮮度保持技術の応用により、県産農産物の高付加 価値化を実現しました。
<研究の特徴>
流通形態に最適な新しい包装方式を提案試作し、従来品と 比べて、雰囲気気体組成や外観、ビタミン C などの点で優位 性を確認しました。主なポイントは以下のとおりです。 ①青果物の鮮度保持に必要な通気の制御
②JA に普及している真空冷却方式でも破裂しない大きな 開口部
③流通中の温湿度変化により半密封化を誘導する機構。
<支援の成果>
鮮度保持包装に関する特許出願、流通システム上の課題解 決、流通技術の向上によるブランド化、新包装の普及。
野菜の鮮度を保つフラップシール包装
食品産業担当
<概要>
フラップシール包装は個包装型の青果物鮮度保持包装で す。ポリプロピレン製の青果用台形包装のフラップ(フタ)部 分に粘着テープが貼付されており、フィルム同士を接着して 封をするよう設計されています。
<研究の特徴>
この包装のフラップを折って縦と横方向に粘着テープで糊付 けすることによって、包装の通気を段階的に制限することが 可能です。ホウレンソウなどでは包装内が青果物自身の呼 吸によって鮮度保持に適した高炭酸ガス+低酸素のガス環境 になり、20 ℃常温で 3 日以上、5 ℃冷蔵などで 7 日以上鮮度 延長することが可能となりました。
<支援の成果>
この技術は特許出願済みで今後実施許諾により青果物の鮮 度を保持した流通に役立つことが期待されます。
第1折り返し (大): 一次弁機能
H-ORAC
法による抗酸化能評価
食品産業担当
<概要>
過剰な活性酸素を消去することで生活習慣病を防止し、健康 を維持する機能があるということで、消費者の認知度も高い 「抗酸化物質」ですが、その抗酸化能を評価する方法には 様々なものがあります。H-ORAC 法は、抗酸化能評価の標 準手法として研究が進められています。
<研究の特徴>
当センターにおいても、H-ORAC 法による抗酸化能評価につ いて試料抽出から分析までの一連の操作が、精度、再現性 ともに良好に実施できる体制を整備することができました。
<支援の成果>
機能性表示食品制度が始まり、機能性に着目した商品開発 の機運が高まっていることから、今後、品質評価への活用が 期待されます。
●依頼試験の支援事例
磁気駆動アーク回転機構の磁界強度解析
電磁力担当
磁界解析結果
<概要>
フラッシュバット溶接装置に用いるアーク回転機構を設計す るために、磁石の材料選定、数量、配置を電磁界解析ツー ルにて数値解析しました。
<支援内容>
2 本の鋼管間にアークを発生させ、圧力をかけながら瞬時に 接合するフラッシュバット溶接法を開発するために磁界解析 をおこなった。磁石材料、数量、配置、磁石ユニット継手間距 離、磁石間距離をパラメータとして電磁界解析ツールで数値 解析し、磁気駆動アーク回転機構を設計できました。
<支援の成果>
磁石の吸引力測定
電磁力担当
磁石吸引力試験装置
<概要>
搬送トレイ保持に使用している磁気チャックの磁石吸引力と 磁石間距離の関係を試験しました。
<支援内容>
ロードセルを用いて磁石とボルトが接触した状態から引き離 しながら、磁石―ボルト間の吸引力を 0.01 mm ピッチで測定 しました。磁石の吸引力で磁石とボルトが同軸上に並びにくく 測定誤差がありましたが、繰り返し測定することで相対的評 価ができました。
<支援の成果>
磁石―ボルト間の吸引力を明らかにし、搬送トレイハンドリン グ時のチャックエラーを低減できました。
CAE
ソフト「
ANSYS
」による解析支援事例
機械担当/金属担当
構造解析システム「ANSYS」
<概要>
現在のものづくりでは、製品の設計試作工程のコスト削減や 不具合発生時の原因究明等に広く CAE が活用されていま す。ソフトウェア「ANSYS」を用い、様々な技術支援を行って います。
<支援内容>
・機械部品のボルト締結時における変形の解析 ・線材加工時における反力の解析
・特殊用途用減速機の使用環境下での構造解析 ・街路灯の風圧荷重に対する構造解析 等
<支援の成果>
変形が発生した製品において設計上原因となる箇所の究明 や、製品試作前の耐荷重性確認等に用いた結果、形状改善 方案の決定や実際の製品化が達成されました。
精密万能試験機を用いた材料強度試験
金属担当
(株)島津製作所製、AG-250kNXplus
<概要>
目的に応じた品質を確認・保証し、顧客に納品するため、定 速、応力増加率、ひずみ増加率等の制御が要求される金属 材料や金属部品の強度試験に利用できます。
<機器の特徴>
・最大負荷容量及びロードセル定格容量: 250 kN ・精度: 表示試験力の±1 %以内
(ロードセル定格容量の 1/1~1/1000 の範囲) ・クロスヘッド移動速度: 0.0005~500 mm/min ・有効試験幅及び最大引張ストローク: 600 mm ・最大サンプリング速度: 0.2 msec
・治具: 引張試験 【平板】 t = 0~25.5 mm (W = 50 mm) 【丸棒】 φ4~30 mm、圧縮試験 φ100、200×t40 mm
<利用例>
「やわらか湯たんぽ」の品質評価試験
工業化学担当
<概要>
国東市の企業ではダイビング用ウェットスーツの製造・販売 で 25 年以上の実績があり、最近ではその製造技術を応用し た「やわらか湯たんぽ」や「ひんやりまくら」を開発し、販売し ています。
<支援内容>
製品の性能や耐久性などを確認するため気密性試験、耐荷 重試験、表面温度測定、電子顕微鏡観察、材質分析、材質 断面観察などを行ない、製造や販売のためのデータを取得 しました。
<支援の成果>
耐荷重性や保温性・保冷性等のデータを測定して製品の性 能を客観的に確認し、製造や販売を支援できました。
異物解析試験
工業化学担当
異物解析によく利用される機器 (上)FT 赤外分光光度計 (下)X 線分析顕微鏡
<概要>
製品に付着・混入した汚れや異物が何かを知りたい、分析し てほしい、とのご相談をよくいただきます。
<支援内容>
まず、汚れや異物が発生した状況を十分に時間をかけてお 聞きします。そのうえで、各種顕微鏡や分析装置を用いて解 析し、汚れ・異物の正体とその原因の解明を目指します。
<支援の成果>
汚れ・異物対策を行うことにより、品質や歩留まりの向上が 見込まれます。
公的な証明のための試験・分析
工業化学担当
<概要>
依頼試験や依頼分析を行った結果について、公的な証明書 となる試験書を発行しています。
<支援内容>
出荷する製品や原材料(金属スクラップ、鉱産物、窯業製 品、堆肥、プラスチック製品等)の成分分析や強度試験等を 行い、測定結果は試験書の形で発行いたします。
<支援結果>
【
依頼試験・分析の利用ガイド
】
センターでは、企業における品質管理や部品等の不具合の原因調査などのために必要とされる分析や測定 について、有償にて依頼試験・分析を行っています。また、試験等の結果について「試験書」を発行します。 <主な依頼試験・分析>
材料試験 (金属担当)
金属材料、工業製品等の強度試験、 硬さ試験および組織検査、シャルピー 衝撃試験などを行います。
成分分析 (工業化学担当)
鉱産物、金属、産業廃棄物、用水・廃 水、プラスチックなどの成分分析を行 います。
表面観察 (工業化学担当)
電子顕微鏡による極微小領域の観察 や分析を行ないます。異物の確認に 有効です。
物性試験 (工業化学担当)
プラスチック、骨材などの物性試検を 行います。
食品・飲料の分析 (食品産業担当)
栄養成分の表示、品質管理、新製品 開発等に必要な蛋白質や脂肪等の栄 養成分やミネラル類、食品添加物、細 菌検査等の分析試験を行います。
<依頼試験・分析の利用手順>
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■その他
大分県収入証紙は、大分県庁や各地方振興局、当センター内の団体(大分県溶接協会、大分県計量協会)等で 取り扱っています。 領収書は証紙の購入時に発行されます。
お支払いの事務手続きには若干のお時間をいただきますので、ご了承ください。
試験書の郵送をご希望の場合には、依頼時に切手を貼った封筒を準備してください。
電話などで依頼内容・手数料・必要な期間など の概要について、担当者と打ち合わせをします。
試料などをセンターに持ち込み、担当者と詳細な 打合せをします。
「依頼書」を記入し、 大分県収入証紙 と一緒に センター受付窓口に提出します。
依頼試験・分析を実施します。
●指導相談の支援事例
(機 器 利 用 相 談 ・機 器 紹 介 を含 む)
新駅弁の開発指導
製品開発支援担当
<概要>
にぎり寿司がメインとなる新しい駅弁の開発相談を受け、企 業のコンセプト“大分県を握る”を実現する商品作りを指導し ました。
<支援内容>
大分特産食材にこだわった寿司の魅力を踏まえ、九州内有 名駅弁 50 種の傾向分析、ネーミング、キャッチコピー、パッケ ージなどについて、具体的な提案を示しながらデザイン思考 による商品開発を支援しました。
<支援結果>
県内初となる「九州駅弁グランプリ」の栄冠を獲得した駅弁に なりました。この受賞が契機となり、有名駅弁に名を連ね、全 国から注目される大人気が継続しています。
糀販売のビジネスモデル作りおよび糀商品の開発指導
製品開発支援担当
<概要>
糀販売の相談を受け、ビジネスモデルを企業とともに作りま した。同時に「糀」を販売するための 2 次製品も開発しまし た。
<支援内容>
経営、販売システム、物流、サービス、原価計算等まで踏み 込み、「インターネット直接販売の仕組み作り」を支援しまし た。また、「糀」に対する企業の意識改革を促し、商品開発プ ロセスを指導しました。
<支援結果>
廃材によるボード試作(機器利用:ホットプレス)
製品開発支援担当
横井工業(株)製、100t プレス
<概要>
圧密による高強度・高硬度材料の試作が利用できる機器とし てホットプレスを設置しています。廃材によるボード試作等で 利用されています。
<機器の特徴>
木材やボード等の熱圧接着や圧密のための油圧式圧締 (100 t プレス)装置です。
・圧締有効面積: 400×400 mm ・加熱温度: 200 ℃(max) ・シリンダ・ストローク: 300 mm
<利用例>
廃材によるボード製造(熱圧)条件を試作検討したいとの技 術相談に対して、製造条件検討の試作実験。
3D
プリンタによる立体モデルの造形
製品開発支援担当
Stratasys 製,FORTUS 360mc-s
<概要>
3D データから、金型を用いずに直接樹脂の立体モデルを造 形できます。センターでは、非接触 3 次元デジタイジングシス テムや 3D-CAD による 3D データの作成、3D データによる各 種解析など、3D データによるものづくりを支援します。
<機器の特徴>
熱により溶解された ABS 樹脂を積層させて造形します。 ・積層方式: 熱溶解積層造形法
・最大モデル造形サイズ: W355×D254×H254 mm ・最小造形積層ピッチ: 0.127 mm
・造形材料: ABS-M30 ・対応データ形式: STL
<利用例>
射出成型等で必要とされる金型の製造が不要となり、迅速 かつ高精度に「形状試作」「機能試作」「少量生産」を実現で きます。
分光分析装置の操作技術研修
製品開発支援担当/電子・情報担当
<概要>
物体の光学的特性を把握する技術習得のために、分光分析 装置の操作技術研修を実施しました。
<技術研修の機器>
様々な測定対象に対応するために複数の機器の操作技術 研修を実施しました。
・分光器①(島津製作所 UV-3100PC) 透過試料の分光分 布計測
・分光器②(浜松ホトニクス PMA-10) 光源の分光分布計測 ・分光測色計(ミノルタ CM-508d) 反射試料の分光分布と色
差計測
<研修の効果>
12 bit
ミックスド・シグナル・オシロスコープによる測定
電子・情報担当
テレダイン・レクロイ製 HDO6034-MS
<概要>
12 bit の垂直分解能を有し、他の 8 bit 機に比べて高精度な 電圧波形の測定が可能です。また、高いオーバードライブ特 性をもつ差動アンプを用いて、広い電圧範囲(数百 V)と狭い 電圧範囲(数 V)を同時に測定できます。
<機器の特徴>
・帯域幅、サンプリング速度:350 MHz、2.5 GS/s ・垂直軸分解能:12 ビット
・DC ゲイン精度:±0.5 %(フルスケール)
・ミックスド・シグナル解析:アナログ 4 ch、ロジック 16 ch、 シリアル(I2C、SPI、UART)・トリガ/デコード
・パワー解析:スイッチング電源解析ソフト、差動アンプ、 各種プローブ(電流、高圧差動、高圧)
・スペクトラム・アナライザ機能
<利用例>
スイッチング素子、パワーデバイス、電源の特性評価や高分 解能センサ(加速度、音響、振動、光センサなど)の評価に利 用できます。他にも LED 照明評価や渦流探傷装置の渦電流 周波数測定などで活用されています。
2 GHz
帯オシロスコープによる測定
電子・情報担当
テレダイン・レクロイ製 WaveRunner 620Zi
<概要>
2 GHz の帯域幅を有し、広帯域な電圧・電流波形の測定が 可能です。高速ハードウェアトリガや波形検索機能を用い て、異常信号や目的の信号を素早く検出することができま す。
<機器の特徴>
・帯域幅、サンプリング速度:2 GHz、10 GS/s ・垂直軸分解能:8 ビット
・アクティブプローブ:ZS2500(帯域幅:2.5 GHz) ・差動プローブ:ZD1500(帯域幅:1.5 GHz)
<利用例>
オシロスコープを使った汎用的な測定に加え、USB 2.0 や Ethernet 1000BASE-T などの高速信号を有する回路の評価 に利用できます。電気・電子機器の開発時や故障時の動作 検証などで活用されています。
分光光度計による測定
電子・情報担当
(株)島津製作所製、SolidSpec-3700
<概要>
金属・ガラス基板、ウエハー、光学薄膜など、固体材料の光 学特性(反射率、透過率等)を計測する装置です。
紫外から近赤外まで、幅広い波長範囲での分光光度測定が 可能です。
<機器の特徴>
測定波長範囲: 240~2600 nm 大型試料室
<利用例> 板厚ガラスの透過率
半導体モールド樹脂の透過率 赤外遮蔽フィルムの透過率 紙の反射率
建築材料の日射反射率
レーザー顕微鏡による測定
電子・情報担当
(株)キーエンス製 VK-9700SP
<概要>
顕微鏡観察視野内の微小な立体物の表面の三次元形状を レーザ(非接触)で測定し、形状解析を行う装置です。
<機器の特徴>
測定用レーザ光源 バイオレットレーザ 408 nm 対物レンズ倍率 20、50、150×
電動ステージ 50 mm×50 mm 可動 12 インチウェハ用ステージ付属
<利用例>
微小電子部品のパーツの形状確認 LSI 電極パッドの表面粗さ・形状評価 微小電極先端の摩耗・付着等の形状評価
IC、ソケット端子の相互高さ測定などに活用されています。
屋外放射線測定システムの開発における電波強度の測定
電子・情報担当
<概要>
県内企業が開発している特定小電力無線を用いた放射線測 定システムについて、電波強度を測定することにより、通信 可能な距離を検証しました。
<支援内容>
開発中の測定システムのセンサ子機には無線 LAN と同じ 2.4 GHz 帯の周波数を使い、最大 200 m 程度の通信距離を想定 しています。スペクトラム・アナライザを用いて、この周波数 の電波強度を測定しました。
<支援結果>
測定結果より、想定した距離まで通信可能であることを確認 できました。
電磁界解析ツールによる磁気設計シミュレーション
電磁力担当
(株)JSOL 製、JMAG-Designer
<概要>
モータなど電気機器の磁気設計シミュレータです。解析対象 機器の形状や材料のモデリング、解析、結果表示が可能で、 効率的に設計開発できます。機器内部の損失分布や磁束密 度など、解析結果を直感的に理解できます。
<機器の特徴>
この解析ツールでは、以下の解析が可能です。
静磁界解析、2 次元及び軸対称過渡応答磁界解析、3 次元 過渡応答磁界解析、周波数応答磁、界解析、構造解析、鉄 損計算
<利用例>
磁気特性計測システムによる積層コアの評価
電磁力担当
<概要>
電磁鋼板を積層したモータやトランスのコアを模擬した、積層 コア(試料)の磁気特性を計測するシステムです。電磁鋼板 一枚(単板)の試料と比べ、板間の接着やカシメなどの影響 を考慮した、電気機器の完成状態により近い磁気特性を把 握できます。
<機器の特徴>
積層試料の上下面に加え、両側面に 1 枚ずつ H コイルを近 接する形で配置するとともに、測定領域を均一磁場内に限定 することにより、高精度測定を実現しました。
・測定項目: 磁束密度、磁界強度、比透磁率、鉄損 ・測定周波数: 商用周波数
<利用例>
モータ開発時のモータコアの材料選定や、モータコア製造時 の検査に利用できます。
B-H
アナライザによる磁気特性の測定
電磁力担当
岩通計測(株)製、SY-8219
<概要>
ケイ素鋼板やフェライトなど、軟磁性材料の交流磁気特性を 簡便に測定できます。経済産業省「H24 年度補正地域新産 業創出基盤強化事業」により整備し、無償で利用できます。
<機器の特徴>
・測定周波数: 10 Hz~1 MHz
・測定モード: B-H 測定、Pc 測定、m 測定
・測定項目: 最大磁束密度(Bm)、残留磁束密度(Br)、最大 磁界(Hm)、保磁力(Hc)など(測定モードによる)
・直流重畳時の磁気特性測定
・リング形状、単板形状、コア形状、圧粉磁心の磁気特性
<利用例>
磁性材料、モータコア、電気機器メーカの新商品開発や製品 検査などに利用できます。
ミックスド・ドメイン・オシロスコープによるデバイスの観測
電磁力担当
テクトロニクス製、MDO4104-3
<概要>
スペクトラム・アナライザとオシロスコープを統合し、電子回 路の RF、デジタル、アナログ、シリアルバスからの電気信号 を観測できます。経済産業省「H24 年度補正地域新産業創 出基盤強化事業」により整備し、無償で利用できます。
<機器の特徴>
・帯域幅、サンプリング速度:350 MHz、2.5 GS/s ・垂直軸分解能:12 ビット
・DC ゲイン精度:±0.5 %(フルスケール)
・ミックスド・シグナル解析:アナログ 4 ch、ロジック 16 ch、シ リアル(I2C、SPI、UART)・トリガ/デコード
・パワー解析:スイッチング電源解析ソフト、差動アンプ、各 種プローブ(電流、高圧差動、高圧)
・スペクトラム・アナライザ機能
<利用例>
表面性状測定機による形状および粗さ測定
機械担当
<概要>
表面の粗さおよび形状を可視化、数字表示したい時に使用 する機器です。測定物にスタイラス(接触針)を当て、なぞり ながら表面の粗さと形状を同時に測定できます。3 次元粗さ の測定も可能です。
<機器の特徴>
トラバース長(最大/最小) :120 mm/0.1 mm x 軸最小データサンプリング間隔 :120 mm で 0.125μm z 軸測定範囲 :8 mm
z 軸分解能 :12.5 mm 範囲で 0.8 nm システムノイズ :測定速度 0.5 mm/s で 3 nm
<利用例>
部品の品質管理として、部品同士がこすり合う摺動面や密封 しなければいけない面等の粗さ測定、部品の高さや角度、円 径等の形状を調べたい時にご利用できます。また、ノイズが 小さいことにより、非常に滑らかな表面の測定にも利用でき ます。
自動車パーツ成型用ウレタンモデルの
CAD
造形と
NC
加工による製作
機械担当
<概要>
自動車パーツ成型用ウレタンモデル製作を CAD 造形と NC 加工によって、従来の手作業主体の加工から大幅に合理化 することができ生産性が向上しました。
<支援内容>
別府市の企業では、自動車パーツ成型用モデルを手作業主 体のウレタン削り出し加工により行っていましたが、生産性 が著しく劣っていたため、当センターの設備利用で加工合理 化を実現したいという要望が寄せられ、支援を行いました。
<支援結果>
CAD による造形とマシニングセンターによる NC 加工を用い たウレタンモデルの一貫加工が可能となり、その設計と製作 が大幅に合理化されました。 また自社での新しい設備導入 と別分野の製品開拓にも繋がりました。
高解像度ハイスピードカメラの活用
機械担当
ビジョンリサーチ製、PHANTOM V1210
<概要>
肉眼では確認できない高速現象や高速動作の映像を記録で きます。各種自動機の動作不具合や瞬間的な現象を詳細に 確認し、不具合原因の特定や装置の高能率化などに役立ち ます。
<機器の特徴>
・イメージセンサー画素数: 1,280×800 ピクセル ・撮影速度 フルフレーム: 12,000 コマ/秒 分割フレーム: 100 万コマ/秒 ・撮影時間: 約 0.6 秒
(1,280×800 ピクセル、12,000 コマ/秒時)
<利用例>
3
次元湯流れ凝固解析システムを用いた鋳造法案の検証
金属担当
<概要>
鋳型内での溶湯の流動と凝固をコンピュータ上で再現できま す。様々な鋳造方案を検証できるため、実際に行う鋳造試作 の回数と期間を減らすことができます。
<機器の特徴>
鋳型内に溶湯が流れ込む様子の再現や、凝固後に発生す る内部欠陥の位置を予測できます。鋳造方案が大きくても対 称形状であれば分割計算によって計算時間を短くすることが できます。
<利用例>
新製品の鋳造方案の検討や、欠陥が発生した鋳造品の鋳 造方案の問題点抽出および改善策提案に利用できます。
マイクロフォーカス
X
線
CT
装置を用いた各種工業製品の非破壊検査
金属担当
(株)島津製作所製、inspeXio SMX-225CT
<概要>
複雑・高精度化する各種工業製品において、開発~製造~ 品質管理の各工程で X 線透視や X 線 CT による非破壊検査 のニーズが高まっています。
<機器の特徴>
X 線検出器にイメージインテンシファイアを使用、測定データ をベースにリバースエンジニアリングも可能です。
・最大管電圧: 225 kV、 ・最小焦点寸法: 4 μm、
・最大試料寸法: φ300×L300 mm (ただし最大 CT 視野φ200 mm)、 ・最大試料重量: 9 kg
<利用例>
軽金属鋳物、焼結合金、金属接合部品、塗装品、樹脂モー ルド品、自動車部品、燃焼部品、半導体・電子部品、BGA は んだ、リチウムイオン電池、建材ボード、木材、抜歯 等に利 用できます。
マイクロフォーカス
X
線
CT
装置によるシイタケ子実体原基の確認
金属担当
<概要>
大分県農林水産研究指導センターより、「ほだ木内部に形成 されるシイタケ子実体原基の非破壊による確認の可能性」に ついて相談があり、マイクロフォーカス X 線 CT 装置による非 破壊観察を共同で行いました。
<支援内容>
集約栽培施設で 20 ヶ月育成したほだ木 2 本から、それぞれ 長さ 25 cm の試料を 3 本調整し、それを同施設の自然条件 下で半年間管理するとともに定期的に非破壊観察し、原基 の形成過程を調査しました。
<支援結果>
部材の表面処理層観察試料の作製
金属担当
観察試料(左:作製前、右:作製後)と顕微鏡写真
<概要>
めっき等の表面処理の品質評価のため、手動切断機、試料 埋込機および自動研磨装置を用いて、表面処理層の断面観 察試料を作製できます。
<機器の特徴>
手動切断機に、試料の種類に応じた切断砥石を取り付け て、観察したい部位を切出すことができます。試料埋込機に より、直径 1.25 インチ(31.75 mm)の円柱状の樹脂に試料を 埋め込むことができます。自動研磨装置により、試料の種類 に応じた研磨条件で、同時に 6 個の試料を研磨することがで きます。
<利用例>
めっき層や窒化層など表面処理層の生成状態や厚さなどの 確認に利用できます。
非接触三次元測定機を用いた立体形状測定
機械担当
<概要>
白色光を測定物に照射することで、測定物の表面形状を平 均ピッチ 0.04 mm 間隔の点群データとして得る事ができま す。そのデータを用いて寸法測定や形状検査、CAD データを 作成できます。また、設計等の CAD データがあれば、実物と の偏差をカラーマップで表示できます。
<機器の特徴>
接触式が苦手な自由曲面の形状・素材(バンパー、自動車 用シート、板バネ、フィギュアなど)を測定できます。測定機の 持ち運びができるので、現場での測定も可能です。断面検査 や CAD データとの照合検査もできます。
<利用例>
大型ファン、樹脂製自動車部品の形状検査などに利用でき ます。
サーモグラフィによる温度分布の評価
機械担当
<概要>
一般的な温度計は接触式で一点を計測しますが、サーモグ ラフィは非接触で、測定対象の温度を広い領域で測定できま す。近づけない、傷つけたくない測定対象や広い範囲で温度 分布を評価する場合に利用できます。
<機器の特徴>
・測定温度範囲: -40 ℃~+2000 ℃(レンジの切替による) ・温度分解能: 0.04 ℃(30 ℃黒体において)
・画素数: 熱画像 640×480 画素、可視画像 500 万画素 ・レンズ: 望遠(7°,15°)、広角 45°、接写(50μ,100μm) ※)熱画像と可視画像の重ね合わせや、データロガーによる 接触式の温度データと熱画像との同時取込が可能。
<利用例>
竹から発生した害虫の調査と対策
工業化学担当
<概要>
竹材や竹製品からの害虫の発生が疑われる場合、その調査 や対策などについてご相談に応じています。
<支援内容>
被害の状況を出来るだけ詳しくお聞きした後に現物を調査 し、害虫の種類の特定や被害を受けた製品の取り扱い、さら には今後の被害防止対策等についてアドバイスしています。
<支援結果>
害虫の発生によるクレームの解決や、被害の低減に結びつ いています。
熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置による定量分析
工業化学担当
横川アナリティカルシステムズ製、アジレント 6890N
<概要>
有機物質の定性、定量分析や有機混合物の分離、定性、定量 分析を行う装置です。
<機器の特徴>
一般的な液体サンプルに加えて、熱分解炉、熱抽出炉によ るサンプル導入ができます。 樹脂分析、製品からのアウトガ ス分析、食品の機能成分分析の他、材料開発等にも利用で きます。
<利用例>
加熱抽出によるアウトガス分析 、熱分解による樹脂分析、 食品の香り成分の分析等に利用できます。
電界放出型走査電子顕微鏡(分析装置付)による観察、分析
工業化学担当
日本電子(株)製、JSM-7400F/JED-2300F
<概要>
固体試料における表面微小部の形状観察や元素分析を行う 装置です。
<機器の特徴>
電界放出型電子銃を備えているので、比較的容易に高倍率 ( 数万倍~十数万倍)での観察が行なえます。分析装置 (EDS)は、ベリリウムからウランまでの範囲で元素分析が行 なえます。
<利用例>
水銀ポロシメータによる細孔分布測定
工業化学担当
<概要>
セラミックスやコンクリート、吸着材などのような細かい孔を 有する固体の細孔の大きさや容積を測定できます。窒素吸 着式の比表面積・細孔分布測定装置と比べて、この装置で は比較的大きな細孔の分布を測定可能です。
<機器の特徴>
ガラス製の容器にサンプルを入れ、水銀を圧入して押し込む 圧力と押し込んだ水銀の量から細孔分布を測定します。 ・測定範囲: 6.4 nm ~ 950 μm
・試料サイズ: 最大 15 mmφ×40 mm ・測定ステーション数: 低圧 2、高圧 1
<利用例>
コンクリートの研究にて、材齢とともに細孔分布が変化するこ とを確認できました。粉末や顆粒、ペレット、成型・焼結体、有 機膜などの細孔分布測定に利用できます。
X
線光電子分光分析装置による表面部の元素分析
工業化学担当
サーモフィッシャーサイエンティフィック製、K-Alpha
<概要>
固体試料の極表面部の元素分析や状態分析を行う装置で す。
<機器の特徴>
固体表面の極めて薄い層の分析を行なうことができます。ま た、Ar イオン銃でスパッタリングすることで深さ方向の元素分 布測定が可能です。
・ビーム径: 30 μm ~ 400 μm ・試料台サイズ: 60×60 mm
<利用例>
接着トラブル等の不良解析、表面改質や表面汚染の評価試 験等に利用できます。
色差計による測色管理
食品産業担当
測定画面
<概要>
分光色彩計/濁度計/光沢計で構成され、固体や液体の物 体の色、濁度、光沢度を評価できます。
<機器の特徴>
・色彩計:反射/di:8 SCI/SCE 切替
・濁度計:測定可能試料サイズ 30×30 mm~10×297 ・光沢計:測定角度 20.45.60.85 度 測定開口 14×45
<利用例>
ポストラベル法を用いた有機酸分析
食品産業担当
<概要>
簡単な前処理で、マトリックスが多い試料中の有機酸を高速 液体クロマトグラフを用いて、選択的に分離分析する手法で す。
<機器の特徴>
高速液体クロマトグラフで分離した有機酸に、オンラインで BTB 溶液を混合発色させ、可視検出器で測定します。
<利用例>
果汁や野菜、調味料、酒類の有機酸組成の把握の他、サイ レ-ジの評価などに利用しています。
揮発性塩基態窒素による品質管理
食品産業担当
<概要>
揮発性塩基態窒素(VBN)は、魚の鮮度管理や加工品の品 質評価において重要な指標です。一般には、水蒸気蒸留の 後、滴定法で測定しますが、コウェ-の微量拡散法でも、簡 便に測定できます。
<支援内容>
市販魚醤油の VBN を測定することで、原料から製品に至る 過程の品質管理の要点を抽出しました。
<支援結果>
製品の品質の安定化に有効活用できたほか、製造工程の改 善に結びついています。食品の安全性を担保するために不 可欠な指標として利用しています。
醸造用水について
食品産業担当
<概要>
醸造用水中の鉄やマンガンは、着色防止など品質確保のた め通常の水道基準より低い値が要求されています。仕込み 水や割水として適した水質であることを確認するため、鉄や マンガンをはじめ必要な項目を測定しています。
<支援内容>
醸造用水の鉄やマンガン、カルシウム、マグネシウムを発光 分光により測定します。また硝酸イオンの経年変化をイオン クロマトグラフィ―で測定することで、水源の安定性を確認し ています。
<支援結果>
平成 28 年 6 月発行
編集 大分県産業科学技術センター
〒870-1117 大分市高江西 1 丁目 4361-10 T E L:097-596-7101